こどもの頃、生まれ変わったら 水になりたいと思っていた。 ひつじにそう話したら、 「昨日のきみの涙も、おとといの雨も、いま目の前に 流れる川も、もしかしたら誰かの想いの 一部かもしれないね」と言った。 ひつじと並んで川を見ていた。 水の流れる音はなぜこんなに心地よいのだろう。 「ひつじの想いも流れてる?」そうたずねたら、 「うん、いつか空の雫となってきみにそそぐかもね」 水はめぐる。 私の思いもいつかそそぎ、やがてめぐると信じて。
服を作るコトはひつじを想うコト。 水面に映る花、雫の欠片、いくつもの波紋。そんな水をイメージして作りました。 今回も桜の命をわけてもらい、やわらかく色付いた初夏の服になりました。